八子ヶ峰
11月13日、横谷渓谷からの帰り道、八子ヶ峰に寄ります…
少し登ると八ヶ岳の雄姿。山裾のカラマツの黄葉が傾いた日射しに映えます…
少し淋しくなったススキの穂ですが、逆行に映えています。太陽は中央アルプスと御嶽山の間辺りへ…
やがて日の入り。南アルプスや中央アルプスにはまだ日が当たっています…
日が沈んだのは御嶽山に近い辺り…
振り向けば蓼科山と北横岳の間から月が昇ってきています…
2008年の撮影です。苦労して山に登っても、いい写真が撮れないこともあります。たくさんシャッターを切っても使える写真がなかったり…。逆もあります。この時などはそういえそうです。ふらっと帰りに立ち寄って登った山。写真もたくさん撮ったわけではないのに、意外にどれもいい写真になりました…
餓鬼岳Ⅰ
10月16日、登山口で昼食、午後から登山開始です。紅葉、滝、アケボノシュスラン…。谷沿いの道から稜線へ。大凪山。凪という字のイメージに引っ張られてしまいますが、ナギは崖を表す言葉。辺りの景色はそれを示しています。さらに進み、適当な場所でテントを張ります…
10月17日、暗い内に起きて準備。外で気配。…近い。内側からテントを叩くと何かに当たります。相手は驚いて逃げたようです。クマではなく、サルだったか。声を上げ、コッヘルを叩きます。もう遅いけど…
明るくなり始める頃、百曲ガリを登ります。葉を落としたダケカンバの太い幹がうねっています。日の出が近づきます…
餓鬼岳山頂へ。展望が広がります。標高2647m。二百名山。誰もいません…
少し移動すると、景色も変わります…
足元のガンコウランには霜がついています…
餓鬼ノコブの辺りに荷物をデポして唐沢岳に向かいます…
稜線でも所々樹林帯。森林限界からわずかに頭を出す稜線です。カラマツが色付き、北アルプスらしからぬ景色。標高2632mの唐沢岳に登ります。道はここまで。縦走路から外れた静かな山です…
荷物をデポした場所へ戻ります。赤く色付くクロマメノキ。白い花崗岩。今日も適当な場所でテントを張って寝てしまいます…
2008年の撮影です。餓鬼岳は東沢乗越を経て燕岳に続いていますが、それでも北アルプスの中では孤立したような存在です。さらに唐沢岳は餓鬼岳から2時間半で行き止まり。往復5時間。結局誰にも会いませんでした…
西岳
10月10日、まだ明け切らない樹林の道を行きます。登山口は分かりにくかったのですが、しっかりした道です。楠川を渡り、急斜面をわずかに登ると広々とした尾根、天狗原に出ます…
木が刈り払われた草原が数面。放棄された開墾地でしょうか。朝日が西岳を照らします…
再び樹林帯に入り、緩やかに登って行きます。左手で物音。…クマ?遠ざかる音に安心しつつ、大声を出します。遅いよ!自分で突っ込みを入れます。時々奇声を発しながら進みます。「ほーい!」 …ん?後ろの方で何か気配が…。登山者です。うわっ、恥ずかしい。しばらく行って休んでいると、若いガイドのような男性のあとに続いて3人のおばさん。この長く危険な難コースを行くのか…
登り詰めると無念の峰。岩場の上に出てしまいます。ここで諦めて引き返したということでしょうか。ルートは岩につけられた鎖にぶら下がって2mほどトラバース。梯子に乗り移って10mほど下降。わざと難しくルート工作しているようにも見えます。難所は続きます。鎖につかまり、笹につかまって登ります。普段は邪魔にしている笹に助けられます。笹に引っ張り上げてもらっているような気にもなります…
ふと我に返れば、とんでもない場所にいる自分に気がつきます。屏風のような岩山の途中にぽつんとひとり…。そして見上げる稜線に人影。先行者には追いつけそうにありません…
ひと登りで稜線。その稜線を辿って西岳へ。標高2053m。潅木があって思ったほどの展望ではありません。もうひとつのピーク、標高2030mの本院岳へ向かいます。こちらも似たようなものです。このあたりが戸隠山に主役を奪われた理由でしょうか。展望がないわけではありません。岩場や途中の稜線からは素晴らしい展望でした…
本院岳から八方睨へ向かいます。でも八方睨に着く頃はバテバテです。乙妻山往復に匹敵するハードなコースですが、荷物は軽くしての日帰りです。早立ちだったので、まだ時間は余裕があります。でも誰もいません…
標高1900mの八方睨。展望のいい場所で、高妻山がよく見えます。標高1904mの戸隠山はもう少し先。ここから戸隠神社奥社に下ります。すぐ蟻ノ戸渡り。両側の切れ落ちた岩場を渡る場所ですが、今日は足がガクガク。少し下を初めて巻きます。もう上は歩けないのか。今日はよく歩いたし…。言い訳でも見栄でも、今日は良しとしましょう。賑わう奥社に下りて、登山口の鏡池に戻ります…
2008年の撮影です。高妻山は日本百名山。戸隠山は二百名山。でも西岳は三百名山にも入っていません。戸隠山の西にあって、戸隠山より高い山。ずっと気になっていたのですが、かなりの難路のようで、なかなか登れずにいました。そして心を決め、この登山となりました。とても印象深い山行となりました…
高妻山
10月8日、高妻山に向かいます…
不動滝から五地蔵岳方面。1不動で稜線。3文殊、5地蔵で五地蔵岳。修験道の山の看板を追ってアップダウンのある稜線を辿ります。6弥勒、7薬師、8観音、9勢至。最後の急登で10阿弥陀、高妻山の山頂です。さらに進み、わずかなスペースを見つけて幕営。雨音を聞きながら一夜を明かします…
翌朝、山が見えます。焼山、火打山、妙高山。流れる霧。淡く朝日。乙妻山へ向かいます。夏はお花畑になりそうな鞍部が12大日。登りきると13虚空蔵、乙妻山の山頂です。百名山の高妻山は3度目。でも乙妻山は初めてです。いずれその内と思っていた山でした。高妻山に戻り、テントを撤収、帰路につきます…
霧に包まれ、幻想的な稜線を辿ります。4普賢、2釈迦。昨日見落とした看板を確認します。11を見落としてきてしまいました…
車で鏡池へ。高妻山は右の戸隠山の陰に隠れて見えません。今日はここで車中泊。明日は左の西岳に登ります…
2008年の撮影です。高妻山往復は約8時間で日帰りが可能です。高妻山から乙妻山は1時間。往復2時間。高妻山に着くと疲れきっていて、結局諦めることになる乙妻山。それでこの時は1泊2日で登ってきました。天気は思ったよりよくなかったのですが、それでも面白い景色を見ることが出来ました…