ひねもす通信Ⅱ

季樹歳彩(きぎさいさい)も見てね

餓鬼岳Ⅰ

10月16日、登山口で昼食、午後から登山開始です。紅葉、滝、アケボノシュスラン…。谷沿いの道から稜線へ。大凪山。凪という字のイメージに引っ張られてしまいますが、ナギは崖を表す言葉。辺りの景色はそれを示しています。さらに進み、適当な場所でテントを張ります…

10月17日、暗い内に起きて準備。外で気配。…近い。内側からテントを叩くと何かに当たります。相手は驚いて逃げたようです。クマではなく、サルだったか。声を上げ、コッヘルを叩きます。もう遅いけど…

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明るくなり始める頃、百曲ガリを登ります。葉を落としたダケカンバの太い幹がうねっています。日の出が近づきます…

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餓鬼岳山頂へ。展望が広がります。標高2647m。二百名山。誰もいません…

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少し移動すると、景色も変わります…

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足元のガンコウランには霜がついています…

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餓鬼ノコブの辺りに荷物をデポして唐沢岳に向かいます…

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稜線でも所々樹林帯。森林限界からわずかに頭を出す稜線です。カラマツが色付き、北アルプスらしからぬ景色。標高2632mの唐沢岳に登ります。道はここまで。縦走路から外れた静かな山です…

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荷物をデポした場所へ戻ります。赤く色付くクロマメノキ。白い花崗岩。今日も適当な場所でテントを張って寝てしまいます…

2008年の撮影です。餓鬼岳は東沢乗越を経て燕岳に続いていますが、それでも北アルプスの中では孤立したような存在です。さらに唐沢岳は餓鬼岳から2時間半で行き止まり。往復5時間。結局誰にも会いませんでした…