角落山
群馬・長野県境の鼻曲山(標高1655m)から東に延びる尾根上に角落(つのおち)山はあります。登山口から林道を行きます。
クワガタソウを見て、沢沿いの登山道を進みます。
岩を滑る流れ。まだ山に足を踏み入れたばかりなのに、妙に山深い感じ。怖いくらいです。
次々現れる名もなき滝。やや荒れた山道を辿ります。
鬱蒼と茂る谷底に、鳥のさえずりと、水音だけが響き渡ります。
やがて沢を離れ、深い緑の斜面を登ります。
ヤマツツジ。そして稜線。心地よい風が渡ります。でも、大量発生した小さな羽虫が新緑に叩きつけられて、雨音のような音を立てています。これも豊かな自然。人に心地よいものばかりが自然ではありません。
標高1393m、角落山到着。この季節にしてはまずまずの展望。
夕方から登ったので、もう日は傾いています。
浅間隠山(標高1757m)と上信国境の山々。
変化する雲を眺めるのは楽しいのですが、下りなければなりません。
深い緑に淡く色づく陽射しが射し込みます。
人馴れしていないカモシカが驚くほど軽快に森の奥へと姿を消します。
林道まで下りると日は沈み、淡く夕焼け。
月が昇ってきています。
’01. 6. 1.の撮影。低山のわりに山深く、険しく、そしてとても印象に残っている山。マイナーな山で道は荒れていたと思うのですが、今はどうなっているでしょうか。
芽吹きの頃
長野・群馬県境の湯ノ丸高原は2000mくらいの標高で、まだ花はあまり咲いていません。三方ヶ峰への登山道を歩いてみます。
葉を広げるナナカマド。よく見れば芽吹く木々。
さて、何の葉なのやら…
それぞれ特徴的なのに、花が咲けば花に目が行き、あまり見ていません。
これはカエデっぽい。でも種類までは…
カスミザクラでしょうか。ひと月遅れでやっと桜の季節。
ミヤマヤナギか。これも花なのですが…
これはレンゲツツジ。去年の実の残骸。
キタゴヨウマツでしょうか。これでも数年は経っていそう。
花も咲いています。これはショウジョウバカマ。
シロバナエンレイソウ
コミヤマカタバミも咲き始めています。
ツバメオモトはつぼみ。
イワカガミもつぼみが見えます。
スキー場の枯野に芽生えるヤナギラン。気づけばいっぱいあります。
これはマツムシソウ。
これはハクサンフウロ。
これはヤマオダマキ。
これはマルバダケブキ。
こっちがヤマハハコで、…これがウスユキソウか。
アキノキリンソウでしょうか。だいぶ怪しくなっています。
ネバリノギランとシュロソウかな。
クガイソウ?ツリガネニンジンか。ツリガネニンジンの若芽はとときといって食べるんだけど、まだ試してないし…
シラネニンジン?結構難しいクイズのよう。
オヤマリンドウ?誰か答え合わせしてくれないかな。
冬を越したゴゼンタチバナの葉の下をよくよく見ると…
これがゴゼンタチバナの新芽のようです。
撮影は ’03. 5.24. と、古いものです。少しずつ変化もしながら、今年も同じような営みが繰り返されて行くのでしょう。
戸隠高原と長野の巨木
翌5月22日、ゆっくり起きて戸隠高原を散策します。
少し盛りを過ぎて、…でもミズバショウやリュウキンカがきれいです。
タチカメバソウ。花を見ながら遊歩道を歩きます。
ひこばえする木を生かしながら薪炭に利用し続けるとこんな姿に…
クリンユキフデ
戸隠神社奥社への参道。
水辺に咲くミヤマスミレ。
これもミヤマスミレ。
ヒカゲスミレ
オオタチツボスミレ
杉の巨木がある戸隠神社中社に移動します。
さらに宝光社へ。
ラショウモンカズラが咲いています。鬼無里(きなさ)に向かいます。
幹回り6.5m、推定樹齢750年という新井のイチイ。
推定樹齢300年以上の平出の夫婦栂。栂と名付けられていてもイチイ。やや離れて2本の巨木が聳えています。車で陣場平山に登ります。
オトメスミレはタチツボスミレの白花品種。
ヤマブキ。陣場平山を下りて巨木を探します。
幹周り12.4m、推定樹齢1300年の赤岩のトチ。すごい木。でも撮りにくい…
クルマバソウは足元の小さな花。
タンポポは綿毛になっています。
幹周り7m、推定樹齢700年の国見のイチイ。
今日は菅平で車中泊です。
米山
車で米山の登山口に向かいます。道は砂利の林道になってもさらに続きます。
林道沿いにはナガハシスミレが群生。
キバナイカリソウも咲いています。さらに登って登山口。開けていて海まで見えます。山は霞んで見えなくなり、夕日も雲に隠れて…
しばらくすると雲が淡く色付きます。
翌5月21日、早朝から米山に向かいます。
シロバナスミレサイシン
オオタチツボスミレとナガハシスミレの交雑種、イワフネタチツボスミレか。
日本海側の山に多いオオイワカガミ。
若葉が陽射しに輝きます。
白花もあります。
シロバナショウジョウバカマ
オオタチツボスミレ
そして、標高993mの米山山頂到着。独立峰で展望はいいのですが、気温が上がってすっかり霞んでいます。車に戻って、上越に向かいます。
水野神社のケヤキ
五智公園を散策。
イモカタバミ
春日山城跡にも足を伸ばしてヤマモミジの新緑を撮ります。でも暑い。疲れも溜まってきていて、さらに少し脱水気味。
弥彦山
翌5月20日、標高634mの多宝山で日の出を待ちます。
水の張られた新潟平野の水田地帯。雪残る彼方の山々が朝日に染まります。
佐渡島も静かな朝を迎えています。
南隣には多宝山と同じ標高の弥彦山山頂。そちらに移動します。
日本海の彼方に残雪の山々が霞みます。
東北の山も見えます。ロープウェイが動く前なのに登ってくる登山者。車に戻ってロープウェイの起点近くの弥彦神社に向かいます。
弥彦神社のシイは枯れてしまったのでしょうか。
立派な社殿の奥に、さっきまでいた山頂が見えます。
婆々杉は推定樹齢1000年。
新緑のヤマモミジ。旅館や土産物屋が並ぶ街を散策します。
諏訪の木は諏訪神社のご神木の大ケヤキ。賑わう今時の観光地。でも弥彦神社とともに長い年月を重ねてきた街並みです。そろそろ引き返しましょう。
いい天気で、途中の笠島海岸で写真を撮ります。
柿崎から内陸に入り、楞厳寺(りょうごんじ)に寄ります。
カワトンボでしょか。
静かな境内を散策します。
ムラサキサギゴケ
そして、今日の車中泊の場所は米山の登山口です。
新潟の巨木と角田山
翌5月19日は朝から雨。上越市から国道253号線を東に向かいます。少し内陸に入って行きます。
虫川の白山神社にある虫川の大杉。幹周り10.3m、推定樹齢1200年以上といいます。ここから少し山の方に入っていくと坊金(ぼうがね)の大杉があります。
樹高32m、幹周り8.5m、推定樹齢800年。雨も上がりました。
足元にはニョイスミレ。スギナと競って小さな花をたくさんつけています。
坊金の集落へ向かうとウワミズザクラが満開。桜らしくない花ですが、しっかり桜の仲間です。
坊金神社ではシャガが満開。北上して柿崎に向かいます。
途中見つけた天神大杉。樹高36m、幹回り6.5m、推定樹齢500年。金山でのひどい筋肉痛で石段を登りました。
足元の小さな花はウリクサか。色が鮮やか過ぎるようで、…似たような帰化植物があるのかもしれません。柿崎からは海沿いを行きます。
柏崎市の鵜川神社に寄ります。幹周り9.7m、推定樹齢1000年という鵜川神社の大ケヤキ。平安時代生まれの老木。樹齢500年の天神大杉は若々しく思えます。天気は回復して暑いほどです。海岸沿いを北上して宮川神社に寄ります。
ヤマハタザオ?
でもヤマハタザオにしては花が大きい…
アマドコロ
貴重な社叢があるのですが、目に付くのは別のもの。
キンポウゲという別名の方が聞こえはよさそうなのですが…
ヤマモミジでしょか。木を撮っても新緑の写真。何が貴重かはよく分からず…
さらに北上して見つけた花。ナデシコ科マンテマ属辺りの帰化植物でしょうか。しばらく走り続けて弥彦山の北の五ヶ浜というところまで来ました。職務質問を受けて雑談。花が目的で角田山に登る人がいると聞いて、急遽登ってみることにします。出迎えてくれたのは…
次に出会ったのはマムシグサの仲間の…
新緑の道をゆっくり登ります。
新緑のヤマモミジ
オオタチツボスミレ
スミレ
標高482mの山頂から佐渡島を眺めます。
日が傾いているのに、意外に登山者がいます。
淡く色づく陽射しを浴びて、同じ道を車に戻ります。
五ヶ浜へ行ってみると、日は佐渡島に沈んでしまいました。今日も車中泊。弥彦山へ向かいます。暮れなずむ弥彦スカイラインを見事な跳躍で横切るノウサギ。こんなに間近で野生のウサギを見るのは初めて。でも写真は撮れません。