ひねもす通信Ⅱ

季樹歳彩(きぎさいさい)も見てね

金山

翌5月17日、早朝から金山を目指します。

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小谷(おたり)温泉を出発してすぐ、朝日を浴びる雨飾山を見ます。この先はまだ冬季閉鎖。しばらくアスファルトの車道を歩きます。

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残雪。新緑。そしてまだ朝の斜光線。

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まだ芽吹いたばかり。暖かい下界から季節は逆戻り。1時間ほどで登山口です。

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登山道には雪。斜面の太いブナは雪の重みに身をくねらせ、その雪を支え続けて幾年月経つのでしょうか。斜面は傾斜を増し、雪は増えて道を隠します。アイゼンをつけて迷いながら登ります。

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尾根に出て北アルプスを望みます。

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夏道を見つけてもほとんど意味がありません。

f:id:notahiro:20170508130413j:plain随分登って東側も展望が開けます。

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木々はまばらになっています。雨飾山が現れます。

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そして、標高2197mの天狗原山に到着。雪も多くてかなりバテています。

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さらに金山へ。標高2245m。足がヘロヘロです。

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北西には海谷渓谷。雪に磨かれた険しい岩山。姫川河口。糸魚川。そして日本海が見えます。

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標高1963mの雨飾山は、ここまで来ると見下ろすようになります。

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北には鉾ヶ岳。標高1316m。以前登った山です。

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ここは花がきれいだと教えられていたのですが、ちょっと早過ぎました。また来ましょう。何とか天狗原山まで戻れば、あとは長い下りです。苦労して登った斜面をグリセードで意外なほど楽に下ります。

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途中、カタクリを撮ります。

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アスファルトの車道まで来て、大の字になって休みます。

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目を開けると飛び込んでくる新緑。

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日は傾いて、北アルプスは霞んでいます。

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朝とは違う雨飾山

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車を動かすと立派な滝が見えます。尾丸滝でしょうか。それにしても疲れました。あまり移動せず、近くで車中泊することにします。

聖高原と姫川源流

5月16日、自宅の長野県小諸市からゆっくり聖高原の樋知(ひじり)神社に向かいます。樹齢300年という杉並木の参道。社殿の奥には杉のご神木があります。

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そして池。山の上なのに湧き水。雨乞いの神事が行われました。

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ハウチワカエデでしょうか。木漏れ日に新緑が映えます。

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(きょ)が白いオオタチツボスミレ。

聖山に移動します。標高1447mの山頂。ほとんど車で登れてしまいます。

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いい天気。景色を眺めます。この時はまだ合併寸前。坂井村、坂北村、本城村は現在筑北村になっています。

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大岡の方へ下りて北アルプスを撮ります。残雪の後立山連峰です。

姫川源流に向かいます。白馬村から新潟県糸魚川市に流れる姫川。その源流は意外にも国道148号線から程近い場所です。

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整備された歩道を行くとスミレサイシンが咲いています。

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ヒガゲスミレ

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そして、ニリンソウ

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いっぱい咲いています。

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エンレイソウ

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ワサビ

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またオオタチツボスミレ。

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近くの親海(およみ)湿原ではミツガシワが咲き始めています。

小谷(おたり)へ移動して、今日は車中泊です。

三国山と群馬の巨木

八ッ場(やんば)ダムで話題に上る吾妻川沿いは真田氏も利用した古い街道。

f:id:notahiro:20170501074053j:plain 道祖神

特別有名なものはありませんが、多くの史跡が点在しています。

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長野原町の王城山神社に寄ってから王城山に向かいます。

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盛りは過ぎて咲き残るカタクリ。ヤマエンゴサクがいっぱいです。

f:id:notahiro:20170501080141j:plain アズマイチゲ

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フイリヒナスミレ      エイザンスミレ

花を見て、御塚(おつか)の石仏群やイタヤカエデの巨木を見たら移動します。

f:id:notahiro:20170501080956j:plain 村主の大ケヤキ

幹回り7.2m。推定樹齢600年。月夜野の村主(すぐろ)八幡神社にて。

国道17号線、群馬・新潟県境の三国トンネル入り口で車中泊

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早朝出発。途中から雪道。三国峠を経て三国山山頂へ。

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春霞。遠望は利かないものの、風はなく、穏やかな天気です。

f:id:notahiro:20170501083029j:plain 苗場山

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登りも下りもちょっとうんざり。

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山を下りて渋川の雙(そう)林寺へ。旧子持村子持山山麓です。

f:id:notahiro:20170501084815j:plain ムラサキサギゴケ

境内は花盛り。

f:id:notahiro:20170501084941j:plain セイヨウタンポポ

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ジュウニヒトエ          アカネスミレ

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 幹周り6mの雙林寺のカヤ。移動して群馬の巨木を巡ります。

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横室の大カヤ 幹周り8.1m。推定樹齢1000年。前橋にて。

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萩原の大笠松 幹周り6m。推定樹齢430年。高崎にて。

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連取(つなとり)の松 幹周り4m。推定樹齢300年。伊勢崎にて。

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浄蔵寺の大イチョウ 幹周り12m。推定樹齢300年以上。太田にて。

’05. 4.29.~30.に巡った時のものです。もう12年も経ってしまいました。老木たちは今も元気でしょうか。今年の残雪の具合はどうでしょう。

じいとばあー御堂山

長野・群馬県境の内山峠から下仁田へ向かうと、『じいとばあ』という食堂があります。老夫婦が営む家庭的な店、…なのでしょう。でも私が注目してしまうのはその店の奥に見える山。樹林の稜線にそそり立つ岩、『じいとばあ』と名付けられた奇岩です。

f:id:notahiro:20170424080533j:plain ヒカゲスミレ

しばらくは林道歩き。早速すみれたちが咲いています。

f:id:notahiro:20170424080834j:plain マルバスミレ

f:id:notahiro:20170424081004j:plain エイザンスミレ

f:id:notahiro:20170424081115j:plain タチツボスミレ

f:id:notahiro:20170424081157j:plain アカネスミレ

山道に変わり、木々は芽吹きの頃…

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すみれ以外にはイラクサ科の…

f:id:notahiro:20170424081328j:plain カテンソウ

稜線に突き上げると分岐。左、じいとばあに向かいます。

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アカヤシオの咲くこたつ岩を巻きます。

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その先に現れる、…じいとばあ

f:id:notahiro:20170424083246j:plainちょっと取り付いてみたものの、…登れそうにありません。

f:id:notahiro:20170424083613j:plain きのこ

芽吹いて花咲き始める…

f:id:notahiro:20170424083658j:plain ウリハダカエデ

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途中で見たのとここで見たもの。感じは違うけど、どちらもフモトスミレか。

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こたつ岩の先に御堂山を確認して分岐に戻り、山頂へ向かいます。

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標高878mの御堂山。山頂からの妙義山はこんな感じ。帰りは別ルート。

f:id:notahiro:20170424085823j:plain ヤブレガサ

f:id:notahiro:20170424085911j:plain シロバナエンレイソウ

f:id:notahiro:20170424085950j:plain ミヤマキケマン

f:id:notahiro:20170424090023j:plain キブシ

じいとばあ。こたつ。…民話の世界。きっとそんな昔話がありそうで、図書館で調べたりもしたのですが見つかりません。地元の人も知らないようで…。

 紙媒体の『ひねもす通信』を17年続けています。私一人で撮影、編集したものです。その中から今の季節の記事を編集し直して掲載しています。

大霧山

昔々、ダイダラボッチが奥武蔵にやって来て休憩を取りました。笠を脱いで置いたのが笠山。蓑を脱いで置いたのが蓑山。腰を下ろしたのが定峰峠。お腹が空いてお粥を煮たのが粥新田(かゆにた)峠。食べ終えて箸を立てて置いたのが二本木峠。くしゃみをして唾が飛んで霧になった辺りが大霧山。…なんだそうですよ。

マムシグサかと思ったら…

f:id:notahiro:20170420100955j:plain ミミガタテンナンショウ

仏炎苞が左右に張り出しています。

たくさん咲いていても都合よくまとまっていてはくれません…

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アケボノスミレ

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エイザンスミレ

地味に咲くのは…

f:id:notahiro:20170420103410j:plain クロモジでしょうか。

f:id:notahiro:20170420103546j:plain 植林の道

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タチツボスミレ                アカネスミレ

f:id:notahiro:20170420104117j:plain フイリヒナスミレ

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ヒトリシズカ

咲き始めたばかり…

f:id:notahiro:20170420104359j:plain ジュウニヒトエ

埼玉県ときがわ町から白石峠経由で定峰峠へ。ここで車を置いて歩きます。登り1時間40分ほど。標高767m。展望はあまりよくありませんが、霞む両神山と夕日を眺めました。 ’05. 4.21.

奥武蔵

野生のシュンランが見たくて高麗(こま)神社に来ました。埼玉県日高市。かつて朝鮮半島からの渡来人たちを入植させた土地です。高麗王が神様。はるばる海を越えてこの地に住むことになった人たちが、自分たちのご先祖様を神として祀り、ずっと守り続けてきた神社です。

f:id:notahiro:20170419091921j:plain ミツバツツジ

f:id:notahiro:20170419092155j:plain シャガ

f:id:notahiro:20170419092347j:plain ヤマエンゴサク

f:id:notahiro:20170419092523j:plain タチツボスミレ

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初めて見るヒゴスミレ。エイザンスミレ以上に細かく葉が裂けています。でもシュンランは見つかりません。遅かったのかもしれません。

次の目的地はユガテです。飯能市に入って東吾野駅から北へ、山の方に入っていきます。車を乗り捨てて山道を歩きます。

f:id:notahiro:20170419093357j:plain 菜の花

f:id:notahiro:20170419093227j:plain ノジスミレ

f:id:notahiro:20170419093505j:plain センボンヤリ

唐突に視界が広がります。畑と数軒の家。ユガテの集落です。湯天。これでユガテと読むようです。

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山の上の集落は桜満開。季節が戻ったようです。

f:id:notahiro:20170419094200j:plain ホトケノザ

f:id:notahiro:20170419094406j:plain シロバナタンポポ

f:id:notahiro:20170419094442j:plainヴィオラ・ソロリア

丈夫な外来のすみれは雑草と競って生きる…

車に戻って高山不動尊に向かいます。道は舗装ですが細い山道。路傍に咲く花。運転しながらでもすみれが群生しているのが分かります。

f:id:notahiro:20170419095226j:plain マルバスミレ

f:id:notahiro:20170406115805j:plain エイザンスミレ

雨になりました。高山不動尊に着く頃には本降りです。傘を差して境内へ向かいます。誰もいない境内に大きなイチョウの木。樹齢は7~800年。大小の気根がたくさん垂れ下がっています。 

f:id:notahiro:20170419103226j:plain 高山不動の大イチョウ

関八州展望台へ向かいます。雨は上がったものの関東平野を眺めることはできません。でも雨に洗われた新緑がとてもきれい。ヤマザクラも咲いています。

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稜線を越えて越生(おごせ)町に下りて行きます。飯能市高麗川流域から越辺(おっぺ)川流域へ。龍穏寺へ向かいます。目的のモミの巨木は立ち枯れています。樹齢500年。枯れてから何年か経っているのでしょうか。やや傾いた太い棒杭のようで…。結局写真は撮りませんでした。

f:id:notahiro:20170419110210j:plain 龍穏寺

夕方の雨上がりの人気のない境内。散り敷く桜の花びら…

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『ひねもす通信』を17年続けています。自分の撮った写真で記事を書いて、紙媒体で読んでもらっているのです。これは12年前のちょうど今頃(’05. 4.18.)の記事を再編集したものです。最後の写真1枚を大きく載せたので、ほかの写真は不採用となってしまいました。

今の季節の写真を10枚ずつ、テーマ毎にまとめてみました。ミニ写真展。写真歳時記ー季樹歳彩(きぎさいさい)も見てね。

残雪の山々

新穂高温泉から双六小屋を目指します。

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北アルプス・双六岳

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鞍部に現れる双六小屋。背景は鷲羽岳。左奥に水晶岳

この年の雪は少なめ。それでも吹き溜まる湯俣側には大量の雪が残ります。

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双六小屋からの鷲羽岳

積雪は風の影響を強く受けます。

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ゴールデンウィークの双六岳山頂から残雪の山々を望む

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黒部五郎岳

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笠ヶ岳

双六頂上部に広がる台地はもう雪が消えています。

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穂高連峰

双六小屋はゴールデンウィークの営業を止めたようなので、この景色を見るのは難しくなってしまいました。また積雪は年ごとに大きく変わったりします。地域差もあるのでご注意を。