ひねもす通信Ⅱ

季樹歳彩(きぎさいさい)も見てね

クマノミズキ

手探りで始めたブログも1年を越え、自分なりの作業工程が出来上がっています。記事を決めたらフィルムを引っ張り出します。その頃のフィルムはスリーブ。ポジですがマウントせず、ネガ同様にシートで保存しています。撮影順にデータを探します。少し前、南八甲田のブログ用にデータを探すと見つからない花の写真が出てきます。ガマズミの花。小さな35㎜のフィルムを見て、その時はそう思ったのです…

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花の写真1枚くらいなくても支障はない。どこかに紛れたのかもしれません。注目されるような花でもなく、是非見てもらいたい写真でもない。なかったことにして編集してしまいました。でもちょっと気になって、新たに取り込んでよくよく見てみます…

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4花弁。つぼみの先が尖っている。これ、ガマズミじゃない。つぼみの先が尖るのはヨツバヒヨドリ、キリンソウ…。でも葉が違います。そもそも草?4花弁ならアブラナ科、アカネ科…。草ではないでしょう。木の図鑑を最初から見ます。針葉樹、竹、ヤナギ、カバノキ、ブナ…。顕著な花はつけません。バラ科は5花弁。マメ科もない。ミズキ科。ハナミズキヤマボウシゴゼンタチバナなどを含む科です。ミズキ、クマノミズキ…。この辺りが怪しい。そういえばミズキ科のフォルダはチェックしなかったかもしれません。当時花の写真のデータは科ごとに分けて保存していました。少し馴染もうと思って科の名前は学名で。ミズキ科、cornaseae。フォルダをチェックするとクマノミズキの写真が2枚保存されています。ありました。これです…

昔特定できなかった花や植物を、今なら少しは分かるようにはなっています。でも逆もあります。昔の方が正しく特定していたりします。ただどうしてミズキでなく、クマノミズキとしたのでしょう。図鑑の説明文を読んでみます。ミズキの花は5~6月。クマノミズキはひと月ほど遅れて6~7月。撮影は8月1日で、ミズキよりはクマノミズキとする方が無難です。やっと12年前の自分に追いつきます。それにしても、クマノミズキを見たことも、その写真も忘れてしまっています。その後、クマノミズキに出会った覚えもありません。ミズキなら比較的分かるのです。写真は撮らなくても、遠目に見て、たぶんミズキだな、とか。去年は写真も撮っています。弥彦山浅間山の登山口で…

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’17. 6.20. 浅間山荘にて ミズキ

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花の集まりの花序をたくさんつける落葉高木。それなりに目立つものの、特に注目される花ではありません。撮った直後ならば、草か、ガマズミのような潅木か、高木か、なんて悩まなかったかもしれません。自分で撮った写真でも12年も経てば、小さなフィルムに写るひとつの花序から植物を特定するのは、結構難しかったりもします…