稲荷山
1月25日、京都伏見稲荷大社へ…
山を登って行きます。鳥居の隙間から見える景色は普通の里山です。有名な千本鳥居を過ぎても朱の鳥居は続きます。曇天の稲荷山。標高233m。京都伏見稲荷大社の裏の奥社の鎮座する山です…
異空間。早朝の重苦しい雲がそれを助長します。コンクリートで舗装された道。階段。三ツ辻、四ツ辻。道は錯綜します。熊鷹社、三徳社。次々に現れる霊場。社、祠。聞いたことのない神様の名を刻んで林立する石碑。注連縄、ミニチュアのような鳥居。茶屋もあります。山なのにどこかの街の裏路地に迷い込んでしまったような感覚…
稜線に出ても鳥居は続きます。表には奉納の文字。裏には年月日。ほとんどが平成です。10年20年経てば老朽化して、新たに奉納された鳥居が建てられています。奉納者は全国各地に及びます。未だに生きて成功しているスポンサーシステム。ここに自分の名を刻んだ鳥居が建っている。これはいい自慢になります。いつ誰が考えたのでしょうか…
稜線の3つのピークが上社、中社、下社。ここが奥社の中心部です。山というより霊場。不思議な空間で、不思議な感動を覚えるひと時です…
山城国。古くは山背。ここに移り住んだ渡来人、秦氏。有力氏族でありながらキツネを祀る邪教の一族で、朝鮮半島では軋轢があったのではないかと書いていた本もありました。食物神から発展して商売繁盛などの神様として日本では全国に広まって、3万社ともいわれる稲荷神社があります。その総本宮がここ伏見稲荷大社です…
伏見は酒どころ。伏水とも書いて良質の地下水に恵まれた土地です。豊臣秀吉が築いた桃山城もありました…
車で街に迷い込むと人だかり。…寺田屋。犬も歩けば歴史に当たる。見だせばきりがありません…
石清水八幡宮に向かいます。庶民信仰の伏見稲荷大社に対してこちらは武家の信仰を集め、そして天皇家の祖先神を祀っています…
鎮座するのは男山。大阪との境。桂川、宇治川、木津川、三川が合流して淀川になる辺り。その南に男山。北には山崎の合戦の天王山。交通の要衝です…
2010年の撮影です。京都。当然歴史的な場所は無尽蔵。でも今回は通過点。行ってみたかった伏見稲荷大社と石清水八幡宮に寄りました。ともに低山。でも登山としては異質。石清水八幡宮も歩いて巡りました…
雪野山
1月24日、滋賀県竜王町。新羅王、天日槍(あめのひぼこ)を祀る鏡神社へ…
須恵、弓削(ゆげ)、薬師(くすじ)、綾戸…。渡来文化につながる地名。古代に渡来人が住んだ土地。鏡も先進渡来文化の象徴です。鞍馬から奥州に向かう源義経が元服した場所もあります…
岩屋不動尊は露わになった前方後円墳の石室の奥壁に不動明王を刻んで、入り口には鳥居が建っています。お墓で神社で仏教施設。これが世界標準とは異質な、でも敬虔な日本の宗教観、…でしょうか…
勝手神社…
杉之木神社…
苗村(なむら)神社。歴史ある神社は朝からどこも掃き清められていて、燈明が絶えないようです。日本は仏教国ではなく、敬虔な神道の国?
風邪が治りきっていません。神社などを巡り、少し疲れたので休もうかと思ったのですが、あまりにいい天気です。雪野山ハイキングコースを歩いてみます。標高309mの里山です。靴だけ履き替えて、カメラだけ持って、散歩気分で歩き始めます。
登り口に天神社。お参りをして右手に回ります。天神山古墳群。斜面に小さな円墳が見えています。一つ目は危険。立ち入り禁止。二つ目は何も書いていません。腰を屈めて羨道を行きます。真っ暗ですが、広くなったようです。石室。真っ直ぐ立っても頭がつかえません。目が慣れてきて…、意外に広い空間です。
3群に15の古墳。6世紀後半から7世紀初頭のもの。古墳時代後半は前方後円墳は姿を消して小型の円墳が多くなります。そして横穴式の石室。この時代の典型的なものといえそうです。
戻って神社の左手に回り山道にかかります。害獣除けネットが張り巡らされていて、扉は各自の責任で開け閉めします。扉を抜け緩やかに登って行きます。第一展望台、第二展望台。眼下に竜王町の田園風景が広がり、琵琶湖も見えます。コートを脱ぎ、セーターを脱ぎます…
春のような日和。滞っていた血液が活発に体を巡りだしたような感覚。車の音も街の喧騒も聞こえてくるのに、山の空気に包まれたようです。爽快。不調は消え失せています。
体を休めるばかりが体を大切にすることではない。分かっていたつもりなのに対応を間違えていたようです。これで長旅の不安がひとつ消えたようです。
山頂は前方後円墳になっています。全長70m、4世紀前半のもの。銅鏡、武器類など出土品も多数あるようです。雪野山一帯には4~7世紀にかけての古墳が200基以上あるといいます。
稜線を辿ると大岩。東側の展望が広がります。雪の伊吹山や鈴鹿山脈。その向こうは東国。古代人の感覚に浸ってみます…
雪野山を下りて行くとシダが群生しています。あまり見ないシダ。そしてこの時季に青々しているのも、私には珍しく見えます…
小日吉神社に寄り、旅を続けます…
2010年の撮影です。
あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る
有名な額田王の歌。この歌の舞台ともいわれる雪野山の麓の蒲生野。歴史を感じさせる場所がそこここにあります…
キタミソウ
12月23日、実家の家族と行田へ。新聞記事で見たキタミソウを探します。川べりの自生地。珍しい花。何より小さいらしい。4人でそれぞれ下を向き、歩き回って…。なかなか見つかりません。私はしゃがみこみ、じっと地面を見つめます。…ありました。皆に声をかけます。集まって来た両親や兄に指し示そうとするのですが、見失います。目を離すと分からなくなるサイズ。改めて探して皆に教えます…
細いへら状の葉。根元から小さな花…
小さ過ぎてピントが怪しい。サイズも分かりにくい…
比較するために1円玉…
2010年の撮影です。手元の図鑑には載っていなかったのですが、北海道の北見で発見されたゴマノハグサ科の植物。新しい分類ではオオバコ科らしい。当時はまったく気にしなかったけど、回りに写り込むコケなども今は気になります…
巨木巡り
12月10日、滋賀県米原市醒ヶ井の了徳寺のお葉付きイチョウを見ます…
葉の先に銀杏のなるお葉付きイチョウ。しばらく探してやっと見つけます。でも実も葉もかなり不完全。それでも初めて実物を見ました。お葉付きイチョウは何度か見ているのですが、実のなる季節ではなかったりで…
12月11日、岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町、大湫神明神社の大杉を見ます。大湫は旧中山道の宿場町。大杉は幹周り10m、推定樹齢1000年です…
12月12日、贄川(にえかわ)のトチを見ます。旧楢川村。現在は長野県塩尻市贄川。贄川も旧中山道の宿場町。トチは幹周り8.6mの斜面に立つ巨木です…
2007年の撮影です。友人、知人を訪ねて回り、途中巨木も見て回りました。紹介した以外にも何本かの巨木や神社などを巡りました…
先日、3つのブログのアクセス数の合計が10,000を越えました。現在は
ひねもす通信Ⅱ 5,215
季樹歳彩 3,201
浅間山物語 1,618
ありがとうございます。社会や人との関係性が希薄になっている私にとって、ブログはとても重要で、励みにもなっています。ただ最近はパソコンの前に座っている時間ばかりが長くなっているのです。もう少し出かけないと…。昔の写真を見直しているとなおさらそう思います。というわけで、今以上に記事は少なくなるかもしれません。時に大きく間を空けてしまうことも。それでも、のたりのたりと続けます。これからもよろしくお願いします…