浅間ー前掛山
’04年9月1日の噴火から3年後の6月17日、浅間山荘から前掛山に向かいます。
二ノ鳥居の辺りでミヤマザクラを見ます。桜っぽくないけど、これも桜。
イワカガミ。山はやっとこれから花の季節。
火山館を過ぎるとハクサンイチゲが咲いています。牙(ぎっぱ)山を入れ込んだのは、ちょっと無理がありました。
新たな火山弾の欠片が散乱する道を登って、前掛山の火口原に辿り着きます。ひしゃげた避難シェルター。前掛山の内側は節理が発達しています。これは旧火口壁。この前掛山火口の中に釜山と呼ばれる新たな噴火口が成長して、浅間山の最高点をなしています。それは天明の大噴火の時(1783年)のことだとか…
仏岩という浅間山の土台部分はほぼ新たな火山堆積物に埋まっていますが、南斜面には弥陀ヶ城岩と呼ばれる断崖があって、仏岩の一部が露出しています。
黒斑(くろふ)山と一続きだった剣ヶ峰。その内部をあらわにしたような牙山。
好天に恵まれ、山々を眺めます。
荒涼とした斜面が緑に…。その新緑がきれいで…。でもうまく表せません。
前にはなかった稜線の窪み。火山弾の直撃の跡のようです。
早くに咲くコメバツガザクラ
下りていくと、キバナノコマノツメが咲いています。噴火の痕跡は見られるにせよ、花たちは今年も変わらぬ営みを続けているようです。
現在前掛山は登山規制で登れません。浅間山は比較的監視体制の整った火山。火山活動によって規制は強められたり、緩められたりします。
尾瀬ヶ原
6月14日早朝、暗い内に出発。2時間の林道歩き。大きな物音。逃げて行きます。シカでしょうか。正体は分かりません。驚いて、安心して…。お互い様?
富士見峠ではすっかり明るくなっています。
ナナカマドの芽吹き。そして小さなつぼみの塊。
ツクバネソウの花もほころんでいます。
残雪の樹林帯を下って尾瀬ヶ原に出ると、すっきり晴れ上がっています。ニョイスミレの高山型、ミヤマツボスミレの小さな花が咲いています。
木道を歩き、尾瀬ヶ原を散策します。
正面には景鶴(けいづる)山。いずれ登るつもりの三百名山。
オオバタチツボスミレ。これは北海道で見て以来。ちょっと珍しいすみれには出会えたものの、あまり花は多くありません。尾瀬ヶ原は初めてではないのですが、久々で期待過剰だったようです。
こちらも百名山の燧(ひうち)岳。尾瀬ヶ原を挟んで至仏山と対峙します。
尾瀬ヶ原を流れる小川。景鶴山が見えています。
気温が上がり、雲が現れ、少し霞んできました。軽装のハイカーや観光客も多くなっています。
花を求めて結局最初にリュウキンカを見た場所に戻って来てしまいました。
もう少しミズバショウがきれいに咲いていてもよさそうなのに…。尾瀬ヶ原を離れて三条ノ滝に向かいます。
平滑ノ滝は予想を超える規模。でもいい撮影場所が見つかりません。
雪解け水を集めて轟く三条ノ滝。こちらも想像を超える大迫力。
翌日早朝の只見川。この上流に平滑ノ滝、下流に三条ノ滝。阿賀野川の大きな支流で、尾瀬ヶ原はその源流です。
尾瀬ヶ原を流れるヨッピ川。今日は曇ってしまいました。
ミツガシワ
またリュウキンカ。少し花を撮ってから富士見峠に向かいます。
4年前に来たアヤメ平にちょっと寄り道。あまり花はありません。
昨日暗い内に歩いた長い林道。ルイヨウショウマを見つけます。特別きれいな花ではないけれど、この花を見たのはこれが最初で最後。…今のところ。また出会うことが、あるかなあ。
’05. 6.14. ~ 15. の撮影です。尾瀬ヶ原へは鳩待峠からが楽で、多くの人で賑わいます。お金をかけないようにするには体力を要します。
アヤメ平
角落山に登った翌朝、谷川岳の一ノ倉沢を見に行きます。
稜線には雲が絡んでいますが、朝日が射し込んで素晴らしい。
でもこんな感じ。ちょっと苦手。早々に引き上げます。
ラショウモンカズラ
ブナ
ハウチワカエデの花
峠から西に向かうとアヤメ平。燧(ひうち)岳が現れます。
残雪。花は…、これはワタスゲではなくオクノカンスゲといいものらしい。
古い木道を辿ります。彼方に武尊(ほたか)山を見ます。
残雪の至仏山。荒廃した湿原は地道な復元作業が続けられています。
トチノキの花。ぱっとしない空。また長い林道を歩いて戻ります。
ニョイスミレ
翌日は好天。野反(のぞり)湖へ行ってみます。
草津白根山が見えています。
さらに翌日、烏川渓谷で写真を撮ります。
角落山の登山口を通過して二度上峠へ。浅間山が現れます。
分去(わかされ)からの鋸岳。黒斑(くろふ)外輪山の一部。手前は鬼押出です。
’01. 6. 2. ~ 4. の撮影です。山上の楽園、アヤメ平の復元は難しいようでした。さらに時は流れて、今はどうなっているのでしょう。
角落山
群馬・長野県境の鼻曲山(標高1655m)から東に延びる尾根上に角落(つのおち)山はあります。登山口から林道を行きます。
クワガタソウを見て、沢沿いの登山道を進みます。
岩を滑る流れ。まだ山に足を踏み入れたばかりなのに、妙に山深い感じ。怖いくらいです。
次々現れる名もなき滝。やや荒れた山道を辿ります。
鬱蒼と茂る谷底に、鳥のさえずりと、水音だけが響き渡ります。
やがて沢を離れ、深い緑の斜面を登ります。
ヤマツツジ。そして稜線。心地よい風が渡ります。でも、大量発生した小さな羽虫が新緑に叩きつけられて、雨音のような音を立てています。これも豊かな自然。人に心地よいものばかりが自然ではありません。
標高1393m、角落山到着。この季節にしてはまずまずの展望。
夕方から登ったので、もう日は傾いています。
浅間隠山(標高1757m)と上信国境の山々。
変化する雲を眺めるのは楽しいのですが、下りなければなりません。
深い緑に淡く色づく陽射しが射し込みます。
人馴れしていないカモシカが驚くほど軽快に森の奥へと姿を消します。
林道まで下りると日は沈み、淡く夕焼け。
月が昇ってきています。
’01. 6. 1.の撮影。低山のわりに山深く、険しく、そしてとても印象に残っている山。マイナーな山で道は荒れていたと思うのですが、今はどうなっているでしょうか。
芽吹きの頃
長野・群馬県境の湯ノ丸高原は2000mくらいの標高で、まだ花はあまり咲いていません。三方ヶ峰への登山道を歩いてみます。
葉を広げるナナカマド。よく見れば芽吹く木々。
さて、何の葉なのやら…
それぞれ特徴的なのに、花が咲けば花に目が行き、あまり見ていません。
これはカエデっぽい。でも種類までは…
カスミザクラでしょうか。ひと月遅れでやっと桜の季節。
ミヤマヤナギか。これも花なのですが…
これはレンゲツツジ。去年の実の残骸。
キタゴヨウマツでしょうか。これでも数年は経っていそう。
花も咲いています。これはショウジョウバカマ。
シロバナエンレイソウ
コミヤマカタバミも咲き始めています。
ツバメオモトはつぼみ。
イワカガミもつぼみが見えます。
スキー場の枯野に芽生えるヤナギラン。気づけばいっぱいあります。
これはマツムシソウ。
これはハクサンフウロ。
これはヤマオダマキ。
これはマルバダケブキ。
こっちがヤマハハコで、…これがウスユキソウか。
アキノキリンソウでしょうか。だいぶ怪しくなっています。
ネバリノギランとシュロソウかな。
クガイソウ?ツリガネニンジンか。ツリガネニンジンの若芽はとときといって食べるんだけど、まだ試してないし…
シラネニンジン?結構難しいクイズのよう。
オヤマリンドウ?誰か答え合わせしてくれないかな。
冬を越したゴゼンタチバナの葉の下をよくよく見ると…
これがゴゼンタチバナの新芽のようです。
撮影は ’03. 5.24. と、古いものです。少しずつ変化もしながら、今年も同じような営みが繰り返されて行くのでしょう。
戸隠高原と長野の巨木
翌5月22日、ゆっくり起きて戸隠高原を散策します。
少し盛りを過ぎて、…でもミズバショウやリュウキンカがきれいです。
タチカメバソウ。花を見ながら遊歩道を歩きます。
ひこばえする木を生かしながら薪炭に利用し続けるとこんな姿に…
クリンユキフデ
戸隠神社奥社への参道。
水辺に咲くミヤマスミレ。
これもミヤマスミレ。
ヒカゲスミレ
オオタチツボスミレ
杉の巨木がある戸隠神社中社に移動します。
さらに宝光社へ。
ラショウモンカズラが咲いています。鬼無里(きなさ)に向かいます。
幹回り6.5m、推定樹齢750年という新井のイチイ。
推定樹齢300年以上の平出の夫婦栂。栂と名付けられていてもイチイ。やや離れて2本の巨木が聳えています。車で陣場平山に登ります。
オトメスミレはタチツボスミレの白花品種。
ヤマブキ。陣場平山を下りて巨木を探します。
幹周り12.4m、推定樹齢1300年の赤岩のトチ。すごい木。でも撮りにくい…
クルマバソウは足元の小さな花。
タンポポは綿毛になっています。
幹周り7m、推定樹齢700年の国見のイチイ。
今日は菅平で車中泊です。